越後の民家/新潟県南魚沼市長崎
■撮影:2009年6月4日/新潟県南魚沼市長崎
NHK大河ドラマ「天地人」で一躍有名になった上田の庄。
ここ長崎の集落は、兼続と景勝が幼少時に学んだ雲洞庵がある集落の隣にある。
下の写真は、調査の下見に行った仲間と発見し、誰もが釘付けになった民家だ。
この地には、こんな民家がたくさんある。
正面の切妻屋根の突き出た部分が玄関で、その左に屋根の掛かった雁木がある。
雁木の奥は雨戸と障子戸でサッシは無い。
障子戸の奥は屋内。
積雪期には雁木の柱に雪囲い板を落し込み、雪から住まいを守る。
雪囲い板を落し込むと屋内が暗くなるから、雁木屋根の上に取付けた欄間で屋内に光を取り込むらしい。
ほんの数日前のブログで、越後の豪雪地にある民家で積雪期の採光を工夫した民家はほとんど無いなんて書いたけれど、とんでもない見識違いであった。
できるものなら屋内を見たいと思い、ここのおばあちゃんに名刺を出して屋内をちょっと見せて欲しいとお願いしたら快くOKをもらった。(感謝!)
屋内に入ると、障子戸と欄間の内側は茶の間と座敷であった。
障子戸と欄間から透過して入る優しい光が印象的で、黒光りしている豪快な木造の骨組みもこれまたすばらしい。(屋内写真はアップしません)
障子戸を開けてくださった茶の間で外の景色を眺めながら話をすれば、なんとも清々しい風が通り抜けてゆく。
フーッと深呼吸をした。
品の良いおばあちゃん同様に、住み手のセンスを感じる植木鉢の花
玄関の大戸に設けらている障子の引戸。
この玄関の障子戸も茶の間や座敷の障子戸も、木やアルミの戸に変えることも出来るのに・・・、そこに住み手のこの家への意思や愛着を感じる。(と仲間の一人が言った)
郵便受けも電気のメーターも納まりが良い。
集落の風景。
この集落の民家はほとんどがこのデザイン。
中門造り型式で、屋根は船枻造り。
この集落には、豪雪地に多い高床式3階建の住宅はほとんど無く、近所付き合いには好ましい。
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コメント
imai様 おはようございます。
ほぼ毎日の更新凄いですね。
旧家は趣があっていいですね^^
投稿: 夢をかなえる営業マン | 2009年6月10日 (水) 07時18分
夢をかなえる営業マンさん、おはようございます。
最近の写真が無くなると、PCの中をゴソゴソ探して、過去の写真をアップしての更新です。(笑)
投稿: imai | 2009年6月10日 (水) 09時14分
毎日の更新、私も凄いと思います。
塩沢には心動かされる建物が残っているんですね。
日本独自の歴史を感じました。
住んでいるおばあちゃんにも心惹かれますね。
これからも素晴らしい写真を楽しみにしています。
それと、今井さんの文才にもいつも感心しています。
今日はどうしたんですか?
投稿: はん | 2009年6月11日 (木) 23時55分
はんさん、おはようございます。
コメントをいただきありがとうございます。
長崎集落、車の中から眺めている時は気が付かなかったのですが、車を停めて歩きながら観察し始めたら、本当に感激しました。
やっぱり歩かないとダメですね。
おばあちゃんは、それはもう上品な方で、こんなふうに歳を重ねたいものだと思いました。
おばあちゃんの心が住まいに現れていますよね。
自分、文才はありませんが、また来てくださると嬉しいです。
今日は、整理した写真の在庫がなくたったので一休さんです。
投稿: imai | 2009年6月12日 (金) 10時08分