越後の近代建築/香林堂(新潟県燕市)-2
昨日の香林堂さんの続きです。
今日は迎賓館です。
■撮影:2010年1月24日15:15〜17:30/小雨/新潟県燕市吉田下町(旧吉田町)
迎賓館。
赤煉瓦の長手と小口が交互に横一列に並んでいるから(次の写真参照)、これはフランス積み。
屋根は寄せ棟で日本瓦葺き。
ちなみに、フランス積みの正式名はフランドル積み。
フランドルとはベルギーとオランダ南部とフランスの北部の地域を言うらしい。
昔、どこかの誰かがフランドル積みをフランス積みと誤訳したらしい。
だから、この建築はベルギーとオランダとフランスと日本の混合文化建築。
いいものは見習うけれど伝統も放棄しない、日本の近代建築って面白いですよね。
煉瓦と銅板、こうゆう異質なもの同士の接点が面白いのだ。
これは唐突のぶつかりで・・・???
上の写真で、近代建築の右にある二つの建築を繋ぐ銅板張りの塀を奥に下げると、左の近代建築も右の日本建築ももっと活きる。
奥に迎賓館、そして手前の雁木が昨日紹介した旧今井銀行を繋いでいる。
実はもっぱら興味があったのは、この近代建築(迎賓館)と近代建築(旧今井銀行)を繋いでいるこの雁木空間、そして雁木と近代建築が繋がる接点の処理。
近代建築どうしを異質な日本建築で繋ぐ、対比の構成と言ってもいい。
歩いているとどうなるかと言うと、立派で堂々としたシンボリックな近代建築の迎賓館を横目に歩き、次は日本建築の簡素・ヒューマンスケール・気候風土に根ざした雁木の中を歩き、そして雁木を出るとまたまた立派な近代建築の旧今井銀行を仰ぎ見ながら歩く、という具合。
明りの灯っているところが、香林堂さんの入口。
簡素でいいですよね。
雁木は明日、紹介予定です。
それにしても、香林堂さんの二つの近代建築の中を見てみたい!
中にはすごいお宝があるのだとか。(「うすいや」食堂さんが言っていた)
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コメント
おはようございます。
表面だけを見ておしまいのワタシと違い、ヒアリングを通して
深く建築を探るimaiさんの姿勢に頭が下りますm(__)m
このまえもワタシのところで書きましたが、小布施と善光寺の
関係にならって弥彦と吉田を繋いだまちづくりをすると面白い
と思うのですが…
投稿: ara_umi | 2010年1月28日 (木) 08時18分
ara_umiさん、こんにちは。
コメント、トラバ、ありがとうございました。
ara_umiさんのようにつべこべ述べなくても意図が伝わる写真が撮れないものですから、能書きたれないとダメなだけなんです。(笑)
そうなんです!とこのまちを見て実感しました。
まちづくりプラン、勝手に作って売り込みにいきましょうか。(笑)
吉田のまち見て、弥彦神社に参って弥彦温泉か岩室温泉に泊まる。
翌日は寺泊で魚買って、なんてどうでしょう。
「うすいや」食堂さんから聞いた話しですが、香林堂さんの建物を燕市で買ってくれないかというような話があったのだそうですが、燕市もお金なくてダメ!なのだそうです。
投稿: imai | 2010年1月28日 (木) 15時00分